週末に訪れたいおすすめの博物館 3 選
どこのスーパーに行っても米が買い占められています。
今回は弊社の宮が「おすすめの博物館」を紹介しました。
博物館に行くのが好きで、週末になると出かけています。
今回は最近行って面白かった博物館を厳選して 3 つ紹介したいと思います。
01 東京文化財研究所
東京文化財研究所は、日本の文化財の保存と修復を専門とする研究機関で、歴史的建造物や美術品、無形文化財の調査・保護活動を行っています。なので厳密には博物館ではありません。
この研究所は、国立文化財機構の一員であり、日本中に系列の博物館や研究所があります。それぞれの組織には得意分野があり、東京文化財研究所は保存修復技術や無形文化財の継承支援において高い専門性を持っています。
最寄駅は鶯谷で、元々は東京博物館の近くにある黒田記念館にありましたが、2000年に現在の場所に移転しました。
建物は地上 4 階、地下 1 階建てで、内部には様々な専門部署が配置されています。
普段は一般公開されていない部分もありますが、団体で事前に申し込むと見学ツアーを実施することもあります。
また、1 階のエントランスロビーの展示は自由に見学でき、資料閲覧室も利用可能です。
(詳しくは公式サイトや直接問い合わせて確認してみてください)
余談ですが、黒田記念館は、洋画家・黒田清輝の功績を記念して建てられた施設で、趣のある古い建物が特徴です。館内には黒田清輝の絵画や遺品が展示されており、美術作品を無料で鑑賞できます。定期的に特別展やイベントも開催され、美術愛好者にはおすすめの場所です。
では、ここからは各部署の具体的な活動内容についてご紹介します。
研究支援推進部
この部署は総務・経理・広報などを担当しています。
イベントや講演会のお知らせなど、研究所の活動を社内外に発信する役割を担っています。
無形文化遺産部
武警文化遺産部は、無形文化遺産の保護および防災に資する調査研究を行う部署です。
研究室は 3 つあります。
- 無形文化財研究室
- 無形民俗文化財研究室
- 音声映像記録室
建物の地下に実演記録室があり、伝統芸能の録音・録画などが行われています。これらの記録は公開にも活用され、失われつつある伝統技術の映像記録も行っています。私が行った時には、「宇陀紙」という和紙の紹介がされていて、とても興味深かったです。
文化財情報資料部
文化財情報資料部は、主に美術史の観点から調査研究を行いながら、文化財に関する文献・画像資料のアーカイブを構築・情報発信する部署です。
国内で行われた展覧会のカタログを多数所蔵しており、これが一番の注目ポイントだと感じています。これらのカタログは一般には流通しておらず、国会図書館にも少ないため、閲覧を希望する場合はここを訪れるのがよいかもしれません。
また、歴史的に価値のある資料も多数所蔵しており、見学ツアーの際には明の時代に竹で作られた紙を使用した書籍を実際に触らせてもらうという貴重な体験をさせていただきました。
こちらから資料の検索もできるようなので、何かお探しの方は利用してみてください。
保存科学研究センター
保存科学研究センターでは、自然科学的手法を用いて、文化財そのもの・文化財の環境・文化財の修復・防災などについて研究を行っています。
個人的に面白かったのは、文化財に対する害虫とその防除策に関する研究です。このようなサイトがあって、害虫について種類や対処法を検索することができます。
また、私が訪問した際には、「和紙」をテーマに、残留物から害虫を特定する研究や実験を見学する機会がありました。
害虫の話ばかりになってしまいましたが、他にも、温度や湿度など環境条件が文化財に与える影響についての調査や、修復技術の開発も行っています。例えば、特殊な顕微鏡を使って文化財の微細構造を調べる研究や、文化財の劣化を防ぐための新しい保存方法の実験なども実施されており、これらの研究が文化財保護に大きく貢献しています。
文化遺産国際協力センター
文化遺産国際協力センターは、世界中の機関と協力し、文化財保護に取り組んでいる部署です。
主に国際情報研究室、保存計画研究室、技術支援研究室などがあり、海外で遺跡の研究や保護活動を行うほか、日本固有の技術を伝える活動もしています。
また、海外で遺跡の研究や保護を行っている関係で、たくさんの画像資料を所蔵しており、それを元に遺跡の3Dモデルを公開しているので、海外の遺跡に興味のある方は見てみると面白いかもしれません。
私が行った時には、和紙を使った日本の伝統工芸品である「掛け軸」について、構造や修復方法の解説を受けました。
掛け軸は時代によって作り方が異なり、特に江戸時代のものは、巻いた時に細くなるように作られていたため、使われる紙や布が少なく、傷みやすいとのことです。現在の修復方法では、部分的に取り外して修復しやすくするために、様々な布や紙が使われ、さらに傷まないように工夫されています。
以上が部署の紹介となります。
今後はどうなるかわかりませんが、現段階ではまだ研究室などは一般公開されていないので、興味のある方は団体で見学ツアーを予約するのがいいと思います。
02 印刷博物館
印刷博物館は、東京都文京区にある印刷文化と技術の歴史を紹介する博物館です。主に印刷の歴史や技術の進化を展示しており、実際に印刷体験ができるワークショップも行われています。
凸版印刷株式会社が運営しており、企業博物館として印刷技術の発展と文化の普及を目的としているそうです。
入館料は一般が400円で、学生割引などもあります。
最寄駅は江戸川橋駅です。
展示は、時系列に沿って構成され、活字の制作から本が完成するまでの技術的な流れを、主に機械を通して追える内容になっています。
会場には古代から現代までの印刷物や機械が所狭しと並び、過去に使用された印刷工房や印刷機械が多数展示されています。
さらに、当時の印刷所の景色を再現した模型や、現存する世界最古の木製手引き印刷機のレプリカが展示され、印刷実演も行われます。
6月2日は「 #ロープ の日」🤝
— 印刷博物館 印刷工房 Printing House (@insatsukoubou) June 2, 2022
博物館を入って1番最初にある「 #木製手引き印刷機 」
現存する最古の手引き印刷機のレプリカです
レールの下には安価で丈夫な麻縄が使われています
これは、コフィン(版が乗った重い部分)を圧版の下へ移動する際の動きを助けます#たまには印刷記念日 #活版印刷 pic.twitter.com/cl8qwjkDFu
あと、個人的なおすすめとしては、特別展のカタログがとても豪華です。
さすが印刷会社がやっている博物館なだけあって、印刷が綺麗で、装丁にもこだわりを感じます。
オンラインでも購入できるので、気になる方はご覧になってみてください。
とにかく見るものがたくさんあるので、5 時間かけても見終わらないほどのボリュームです。
印刷技術の歴史に触れられる貴重な博物館だと思います。
03 本と活字館
東京都新宿区市ヶ谷にある活版印刷の歴史や文化を体験できる施設です。大日本印刷株式会社が運営しており、見学や印刷体験ができるほか、活字に関連した展示も行っています。
また、印刷技術の実演を見学できるワークショップも開催されており、実際に活字を組んで印刷する体験も可能です。
ちなみに私が訪問した時には、ちょうどシルクスクリーンプリントのワークショップが行われていたので参加しました。
入館料は無料。
印刷博物館と比べると、全体的にコンパクトではありますが、展示の見せ方に工夫があり、非常に見やすい施設です。
とは言っても見応えはちゃんとあって、私は見終わるのに 5 時間近く費やしました。
さらに、ウェブサイト上でVRツアーが提供されており、館内を仮想で見学できるほか、映像を通じて印刷技術の歴史や仕組みを学べるので、遠方の方や事前に予習したい方にも便利です。印刷の流れを視覚的に理解できるのも、この施設の大きな魅力です。
「本と活字館」と「印刷博物館」は、どちらも事前予約がおすすめです。人気のワークショップやイベントはすぐに予約が埋まることが多いため、事前に予約をしておくと安心です。
公式サイトから簡単に予約できるので、訪問前にぜひチェックしてみてください。
04 まとめ
今回紹介した「東京文化財研究所」や「本と活字館」、「印刷博物館」では、日本の文化財や印刷技術について深く学べる貴重な体験ができます。これらの施設は、歴史や技術に興味がある方にとっても魅力的な場所だと思いますので、週末のちょっとした外出に訪れてみてはいかがでしょうか。
また、活版印刷に興味がある方には、こちらの本「VIVA!! カッパン」もおすすめです。よかったら覗いてみてください。