少し行き過ぎた感のある救護を学ぼう
近所にCoCo壱とびっくりドンキーとはま寿司と富士そばができてほしいと切に願っています。
今回は弊社の小林が「救護」について話しました。
最近、世界中で様々な事件が起こり、不安定な状況が続いています。
災害や緊急時に適切な対応ができるよう、今こそ防災・救護を見直してみましょう。
その中でも今回は、「テロ対策に焦点を当てた話」をしようと思います。
01 応急救護の基礎
テレビなどで「応急処置が適切に行われたおかげで一命を取り留めた」という話を聞いたことがあるかもしれません。
実際に、事故によっては現場に居合わせた人による適切な処置の有無が生死を分けることがあります。
一般的に要救護者が出た時の応急救護といえば、
- 119番通報
- 意識確認
- 心臓マッサージ
- 気道確保
- 状況に応じてAEDを使う
などがあります。
車の免許を所持している方は、自動車教習所で応急救護の教習を受けたことがあるのではないでしょうか。
これらは「非外傷性」の急病には有効とされていますが、銃創や爆傷、また刃物による刺傷・切り傷などの外傷による「外傷性」の場合、まず止血することが最も重要です。
成人の体重の約8%(約4~5リットル)は血液で、1リットル以上の血液が失われると生命に危険が及びます。
致命的な外傷では、1分以内に止血を行えないと死亡率が50%にもなると言われています。
02 止血方法
さすがに日本では銃創や爆撃による外傷はそこまで一般的なことではありませんが、刺傷や切り傷などは経験することがあるかもしれません。
そういった時にどうすればいいか、止血方法をいくつか紹介します。
直接圧迫止血法
一番シンプルな止血方法が直接圧迫止血法です。
清潔なガーゼで患部を覆って、指(範囲が広ければ手全体)で圧迫して止血する方法になります。
とにかく傷口にしっかりとガーゼを当てることが重要。
というのも人体の生理機能として、出血部位に異物(ガーゼ)が当たることで血が止まるからです。
患部がえぐれているなら、そこが埋まるようにガーゼを入れてください。
血液凝固機能に異常がない場合、細い静脈や毛細血管ならこれで十分止血できます。
止血剤があればガーゼに含ませたり、患部に塗布して使えば尚良しです。
とは言っても突然用意できるものでもありませんし、そもそも清潔なガーゼもその場にあるかどうか。
そういった状況では最悪、服などの布や清潔なタオルなどで代用するようにしましょう。
止血点圧迫止血法
直接圧迫でも止まらなかった り、四肢の断裂など範囲が広すぎる場合に使う止血法。
傷口より心臓に近い部分の止血点を圧迫して血流量を減らします。
血流量が減ることで心臓に近い動脈で血栓を作って止める方法です。
血栓は10分程度で生成されるので、定期的に圧迫を解除して止血状態を確認し、できていなければ止血を継続します。
一般的には腕や足の根本を手や足で押さえつけて行うそうです。
止血帯を使った止血
もう一つが止血帯を使った止血法です。
止血バンドがなくてもタオル、三角巾などでも代用できます。
それらを巻き付け、そこに棒を挟み締め上げるだけでも効果はあります。
ただしこれは、動脈と静脈の両方を止めることで、無理やり患部に血液が流れないようにする方法なので、長時間続けるのは良くありません。
止血帯を使った止血の圧迫は非常に痛く、成人でも20分程度が痛みの限界と言われていて、さらに長時間血流を止めることで血が通っていない部分が虚血状態になってしまいます。
そうなると最悪の場合、切断しないといけなくなったりするため注意が必要です。なので、止血開始時刻を記録しながら止血するのが良いでしょう。
四肢以外では使えません。
さらに止血帯と組み合わせてあらゆる箇所の止血に使用される、エマージェンシーバンデージという救命器具もあります。
これは基本的に軍隊などで使用されているそうなのですが、四肢の断裂時の先端の保護など、止血帯だけでは効果がない時に効力を発揮する救命器具です。
03 爆発物による傷病
爆発物による傷病についても少し紹介しておきます。
爆傷の種類
どの程度の爆発かにもよりますが、例えばタンクローリーの爆発のような高威力な爆発に巻き込まれると、以下の順でダメージが襲ってきます。
- 爆風圧・衝撃波
- 外見上分かりづらいものが多いが、呼吸器系など致死率の高いダメージがあるものが多い
- 爆発により発生した破片の飛散
- ヘルメットや防護べストで防御できる部分。それでもライフルより高速に飛んできたりする
- 体が吹き飛ばされることで壁面などにぶつかる被害
- 致命傷になることは少ないが、それでも四肢の断裂や打撲につながる
- 爆発の熱による熱傷
- 爆発時に飛散した物質(放射性物質など)による被害
熱傷の見方
火傷をしたらとにかく冷やすというのは間違いではないのですが、「水ぶくれや変色のある部分」の範囲で重症度を判断し、それに応じて対処できるとより良いです。
人間の手のひらの面積を、体表面積の約 1 %として考えた時、
- 熱傷範囲10%
- 重症。
- とにかく患部を流水などで30分以上、または痛みが取れるまで冷却を続けるべき。
- 水ぶくれは感染予防のために潰したりはしてはいけない
- 熱傷範囲20%
- 致命的である。
- 冷却は2分以内にとどめ、やけど部分を被覆して、全身の保温を優先する。
- 熱傷範囲25%~55%
- 一般人では対処できない。とにかく医療従事者を呼ぶこと。
- 熱傷範囲55%~
- 本人の体力次第。祈るしかない。
というふうになります。
できることがある時はやるようにしましょう。
04 まとめ
外傷性救護の際の心構えとして、救えるのは、その場にいるあなたしかいません。
そしてとにかく時間がありませんが、慌てずしっかりと適切な処置を行うことが大切です。
応急救護は治療ではなく、あくまで時間稼ぎのために行っている。治療は病院などの医療機関に任せる。
というように、次にパスを渡すために行われるのです。
と、今回はテロ対策に焦点を当てた話をしましたが、刺傷・切り傷などの外傷や火事などには応用が効くかと思います。
最後に、防災的な対策について詳しく書かれている本を少しだけ紹介しておきます。
東京防災
皆様は「東京防災」という本をご存知でしょうか。
都民の方はもしかしたら持っているかもしれませんが、平成27年に都内の全家庭に向けて配布された防災の専門書です。
名前の通り、
東京の地域特性や都市構造、都民のライフスタイルなどを考慮し、災害に対する事前の備えや発災時の対処法など、今すぐ活用でき、いざというときにも役立つ情報を分かりやすくまとめた完全東京仕様の防災ブックです。
防災ブック「東京防災」:https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1002147/1007120.html
完全東京仕様の防災ブックとありますが、
- 備蓄・室内外の備え
- 自然災害の発生時の対応
- 地震・大雨・土砂災害・火山噴火・テロ・感染症など
- サバイバル術
- 簡易ランタン・おむつ・トイレ・ベッドなどの作成方法
- 避難所での体操・子供の遊び
- 応急手当の方法・傷病者の管理方法
- 生活再建支援制度などの行政手続き
というように内容は多岐にわたっており、読んでみると非常に勉強になります。
書籍は書店などで購入できるほか、ウェブやスマートフォンアプリからも無料で閲覧可能なので、もしもの時に備えて常備しておくとか、読んでみることをお勧めします。