日本酒選び、 難しくないですか?
目次
Apple Watchをつけたままプールで泳いだらApple Watchがぶっ壊れました。プールで使えるんじゃないんですか。
今回は弊社の渡辺が「日本酒」をテーマに話しました。
日本酒って美味しいですよね。
塩を舐めながら少しずつ楽しむも良し、ちょっとしたおつまみと一緒なら、ついぐびぐび飲んでしまうことも。
とても素敵な飲み物だと思うのですが、「種類が豊富で選ぶのが難しい…」と前から思っていました。
メニューを見てもよくわからず、ついつい適当に頼んでしまっています。
そこで、今回はちゃんと理解しながら日本酒を楽しめるようになるため、日本酒について少し調べてみました。
01 日本酒ってなに?
日本酒とは、国内産の米を使用し、日本国内で製造された「清酒」を指します。
そのため、外国産の米を使ったものや海外で造られたものは「日本酒」とは呼べません。
清酒とは、米、米こうじ、水を主な原料とし、発酵させた後にこしたお酒全般を指す言葉で、海外産のものも含まれます。
ちなみに日本酒は、ビールやワインと同じく、糖分を酵母で発酵させることで作られる「醸造酒」の一種です。
ウイスキーや焼酎は「蒸留酒」、リキュールや梅酒は「混成酒」に分類されます。
- 三大醸造酒
- 米を原料とする「日本酒」
- 麦を原料とする「ビール」
- ブドウを原料とする「ワイン」
02 清酒の製法品質表示基準とは
日本酒の特徴を理解するためには、清酒の製法品質表示基準を知ることが重要です。
この基準は、清酒の製法や品質に関して、次のような表示ルールを定めています。
- ラベルに記載して良い内容
- 記載が必須な内容
- 記載してはいけない内容
さらに、どの酒が「日本酒」として名乗れるかも定められています。
平成元年頃、酒造技術の発達や消費の多様化に伴い、様々な清酒が登場しましたが、表示に法的なルールがなかったため、消費者は品質の判断が難しかったそうです。この基準は、そうした消費者の声を受けて導入されました。
国税庁のHPに概要が載っているので興味のある方はご覧になってみてください。
03 日本酒の種類
特定名称酒
日本酒には様々な種類がありますが、これらの違いを理解するためには、まず「特定名称酒」という区分を知っておかなければいけません。
特定名称酒とは、米の精米歩合や原料(米、米麹、醸造アルコールなど)の基準を満たした日本酒のことです。
日本酒には8種類の特定名称酒があり、これらは先ほどの「清酒の製法品質表示基準」に基づいて分類されています。
以下は特定名称酒の8種類です。
精米歩合 | 米・米麹 | 米・米麹・醸造アルコール |
---|---|---|
50%以下 | 純米大吟醸酒 | 大吟醸酒 |
60%以下 | 純米吟醸酒 | 吟醸酒 |
60%以下 or 特別な製法 | 特別純米酒 | 特別本醸造酒 |
70%以下 | - | 本醸造酒 |
- | 純米酒 | - |
精米歩合が低ければすっきりした味わいになり、精米歩合が高いとコクや旨味のある味わいが楽しめると言われていますが、実際には好みやシチュエーションに合わせて選ぶことが大切です。
醸造アルコールは、無味無臭のため、すっきりとした味わいを引き出し、酵母による華やかな香りがアルコールに溶けやすくなることで、フルーティな香りが際立つお酒となります。
この8種の中でも「大吟醸」は特に有名で、しばしば耳にする名前かと思います。
大吟醸とは
大吟醸は特定名称酒の一種で、精米歩合や使用する原料など、一定の条件を満たす日本酒のことです。
特に、精米歩合が50%以下で、米の中心部「心白」のでんぷん質を主に使って作られます。
ビタミンやたんぱく質が多く含まれる米の表層は削られ、これが雑味を減らし、フルーティで華やかな香りを引き出しますが、適量であれば旨味の要素にもなります。
一方で、特定名称酒の対義語に「普通酒」があり、精米歩合が70%以上の米を使用し、醸造アルコールを含むため、リーズナブルな価格で販売されているのが特徴。ワンカップや紙パックで売られていることが多いです。
製造・保存方法による日本酒の違い
日本酒には火入れ(加熱処理)の有無によってわけられる「生酒」や「生貯蔵酒」といった種類もあります。
火入れ
火入れとは、日本酒を一定の温度で加熱することで酵母や微生物の活動を止め、酒質を安定させる工程です。
火入れを行うことで保存性が高まり、出荷までの期間や常温での保存が可能になります。一般的な日本酒は、貯蔵前と出荷前に2回火入れを行います。
生酒
生酒は一切火入れを行わないお酒です。搾りたての新鮮な香りや味わいが楽しめますが、非常にデリケートで、冷蔵保存が必須です。開栓後はできるだけ早く飲むことをおすすめします。新鮮さが命のお酒で、フレッシュな風味を楽しむためにも、早めに消費するのがベストです。
生貯蔵酒
「生貯蔵酒」は、生酒とは異なり、製成後に加熱処理をせずに貯蔵し、出荷時に一度だけ火入れを行うお酒です。この工程により、酒質が生酒よりも安定しつつ、新鮮な風味が保たれています。生貯蔵酒も冷蔵保存が推奨されますが、生酒ほどデリケートではないため、やや保存が効くのが特徴です。
生詰酒(なまづめしゅ)
貯蔵前に一度だけ火入れを行い、出荷時には加熱処理をせずに瓶詰めされるお酒です。特に、春に仕込まれた酒が秋に出荷される場合、「秋上がり」や「ひやおろし」と呼ばれることがあり、江戸時代から続く風物詩だと言われています。生詰酒もフレッシュさが特徴の一つですが、やや熟成感があり、さらに滑らかでとろみのある口当たりで、幅広い風味が楽しめるそうです。
04 よく見聞きする他の用語
他にも、瓶に書かれている用語は色々あります、
それが何を意味しているのか、わかりにくいことも多いかと思います。
そこで、よく見かける用語をいくつかピックアップしてみました。
その他のラベルに記載されている用語
用語 | 説明 |
---|---|
生一本(きいっぽん) | 一つの製造場でのみ醸造された純米酒。他の製造場や他社で作られた純米酒を混和したものは「生一本」と表記できない。生酒(きざけ)とも呼ばれるが、火入れとは無関係。 |
樽酒 | 木製の樽で貯蔵し、木の香りがついたお酒。特に吉野杉が最高とされる。 |
原酒 | 加水せずに醪(もろみ)を搾ったままの濃厚な日本酒。アルコール分が高く、オンザロックで飲むのに適している。 |
特撰・上撰・佳撰 | 各酒造会社が独自に設定したランク付け。酒造ごとに異なり、他社との比較に使う基準ではない。 |
ここまでが「清酒の製法品質表示基準」に定められている用語で、規定されていない用語もたくさんあります。
規定されていない用語
用語 | 説明 |
---|---|
発泡酒 | 炭酸ガスを吹き込んだお酒。アルコール分が低く、シャンパンのような飲み口で、夏向き。 |
にごり酒 | もろみを目の粗い布でこした白濁酒。出荷時に加熱・殺菌を行わないものは「活性酒」とも呼ばれ、酵母や酵素が生きたまま。 |
おり酒 | 滓引きした後にタンクの底に残った沈殿物を集めたお酒。「おりがらみ」とも呼ばれる。 |
無濾過 | もろみを搾った後、濾過しないお酒。酒粕や滓が含まれているため劣化しやすいが、味や風味の輪郭がはっきりとしている。 |
荒走り | もろみの重さで自然に抽出される最初のお酒。雑味が少なく、若々しく繊細な風味を持つ。 |
新走り | 新米で仕込んだ新酒。年末年始に絞ったものを「初しぼり」または「しぼりたて」と呼ぶ。俳句では秋の季語「あらばしり」。 |
新酒 | その年の7月1日から翌年の6月30日までに作られたお酒。新米かどうかは問わない。 |
古酒 | 3年から10年、場合によっては20年以上熟成されたお酒。色や香りが複雑化する。 |
生酛造り | 昔ながらの製法で作られた日本酒。「山卸し」を行い、乳酸菌を育てて乳酸を得る。コクが強く、濃醇な味わい。 |
速醸酛 | 現代の一般的な製法。純度の高い乳酸を投入して乳酸を得る。 |
山廃 | 生酛造りの派生。乳酸菌を育てるが、「山卸し」を行わない。 |
高酸味 | 酸味をつけるために乳酸菌、黒麹菌、リゾープス菌などを使用した最近開発された清酒。 |
地酒 | 全国的に流通しない地元で作られた日本酒。灘や伏見などの名醸地以外で作られたお酒を指す。 |
また、「日本酒度」「酸度」「アミノ酸度」という言葉を見聞きしたことがあるかもしれません。
これらは、日本酒の味わいを評価する際によく使われる指標です。それぞれの意味を理解することで、より自分好みの日本酒を見つけるのに役に立ちます。
日本酒度
日本酒度は、日本酒の比重を基準に、辛口か甘口かを数値で示す指標です。
比重が水より軽ければプラスの値となり、辛口の傾向が強くなります。逆に、比重が重ければマイナスの値となり、甘口の傾向が強くなります。
- プラス(+)の日本酒度:辛口の傾向があり、すっきりドライな味わい
- マイナス(-)の日本酒度:甘口の傾向があり、優しくフルーティな味わい
酸度
酸度は、その名の通り酸味の強さを表します。
酸度が高いと、より酸味や旨味が強調される傾向があります。
- 高い酸度:酸味がしっかり感じられ、旨味も濃厚
- 低い酸度:まろやかで控えめな酸味
アミノ酸度
アミノ酸度は、日本酒のコクや甘みを感じる要素の一つです。
アミノ酸度が高ければ濃厚で芳醇な味わいになり、低ければ淡麗な仕上がりになります。
- 高いアミノ酸度:濃厚で甘みのある芳醇な日本酒
- 低いアミノ酸度:淡麗でスッキリした味わい
05 酒米の紹介
お米の種類も日本酒の味を決定する重要な要素の一つです。
ということで、次に生産量の多い代表的な酒米(さかまい)トップ4についてご紹介します。
山田錦
生産量:34,891玄米トン
主な産地:兵庫県、岡山県、山口県、広島県
酒米の王様と呼ばれ吟醸酒や大吟醸酒に多く使用されています。
香りが華やかで繊細であり、米の旨味や甘みをしっかり感じられる日本酒に仕上がりやすいです。
特に兵庫県産が最高品質とされています。
五百万石
生産量:17,332玄米トン
主な産地:新潟県、富山県、福井県、石川県
すっきりとした淡麗辛口の日本酒を造るのに適しており、心白が大きく50%以上磨くのが難しいとされています。
多くの地酒に使用され、すっきりとした日本酒ファンに人気です。
美山錦(みやまにしき)
生産量:4,478玄米トン
主な産地:長野県、秋田県、山形県、福島県
繊細な香りで、すっきりした味わいが特徴。寒冷な地域で栽培されるため、涼しい気候の影響を受けやすいお米です。
酸味と爽やかな風味を持つことが多く、純米酒や吟醸酒で使用されることが多いようです。
長野県を中心に、秋田県や福島県などの寒冷地で栽培されています。
雄町(おまち)
生産量:3,152玄米トン
主な産地:岡山県のみ
古代米の系譜を持ち、濃厚でまろやかな味わいが特徴的。日本酒の中でも個性の強いものが多く、ワインのような深いコクを持ちます。
かつては作付面積が激減した希少な品種でしたが、岡山県で再び栽培が盛んになり、復活を遂げました。
06 まとめ
日本酒の基本的な知識から、製法や酒米について説明してきました。自分の好みの日本酒を見つける手助けになれば幸いです。
それでは最後に、私の好きな銘柄をいくつかご紹介します。ぜひ、気になるものがあれば試してみてください。
- 笑四季
- 一番好きな日本酒です。華やかな甘さときりっとした後味が特徴で、飲むたびに次の一口が欲しくなる日本酒です。初めて飲んだ時、そのバランスの良さに感動しました。
- 而今
- 誰もが認めるレアな日本酒で、メロンジュースに近いフルーティな味わいが特徴。探すのが難しいですが、その価値がある一品です。
- 出羽桜
- 滑らかでクリアな味わいが特徴。さらに、成城石井で手軽に買えるのも嬉しいポイントです。
日本酒の奥深さは、飲めば飲むほど感じることができ、選ぶ楽しさも大きな魅力の一つだと思います。
自分の好みに合う一本を探して、日本酒の楽しさをさらに深めてみてはいかがでしょうか。